なぜK9〜K24まで存在するのか?金の純度ごとの使い分けと理由を徹底解説

金製品には「K24・K22・K20・K18・K14・K10・K9」というように、複数の純度ランクが存在します。日常的に目にするジュエリーの多くはK18ですが、ファッションリングにはK10やK9が多く、純金インゴットはK24が一般的です。では、なぜこんなに多くの“金の種類”が存在するのか。その理由は、金の特性(柔らかさ・耐久性・色味)、製品用途、コスト、文化的な背景という複数の要因が関係しています。本記事では、K9〜K24までの金が存在する明確な理由と、どのような場面で使い分けられているのかを事実ベースで解説します。


■ なぜ金は純度を変えて使われるのか?

金(Au)は非常に柔らかい金属で、純金(K24)は爪でも傷がつくほど柔らかいという特性があります。このため、**用途によっては“純度を下げて硬くする必要がある”**という点が、金の種類が多い根本的な理由です。

さらに、
・色味の調整(イエロー・ホワイト・ピンク)
・耐久性の確保
・価格帯(コスト調整)
・目的用途に合った硬さ
などが求められるため、K9〜K24という幅広い純度が生まれています。


■ K24(純金)〜K9(金合金)の特徴と使い分け

● K24(純金 / 99.9%)

使われる場面:資産用、インゴット、地金型ジュエリー
・非常に柔らかく、ジュエリーとしては変形しやすい
・加工性が低い
・“資産目的”や“投資目的”で最も重要な純度
・価格が最も高い

硬度が低いので日常使いには向かず、主に“資産保有”として使われる。


● K22(91.7%)・K20(83.3%)

使われる場面:海外ジュエリー、伝統工芸品
・K24より硬くなる
・中東やインドなど高純度文化圏で人気
・色味が濃いイエロー
・国内流通は少ない

文化的な理由で高純度が好まれる国で多用。


● K18(75%)

使われる場面:指輪・ネックレス・ブレスレット(国内ジュエリーの主流)
・見た目の高級感と耐久性のバランスが最適
・金の含有率が高いのに、日常使用にも耐える
・日本のジュエリーの70%以上はK18

最も多く使われる理由は“見た目・強度・価格”のバランスが最適だから。


● K14(58.5%)

使われる場面:普段使いのリング、海外ジュエリー
・K18より硬くて傷つきにくい
・コストを抑えられる
・アメリカや欧州で普及率が高い

耐久性と価格重視の層に選ばれる。


● K10(41.7%)

使われる場面:普及帯ジュエリー、若年層向けブランド
・安価で購入しやすい
・変色しにくく扱いやすい
・金の色味が淡い

“日常使いのファッションジュエリー”として採用される。


● K9(37.5%)

使われる場面:低価格リング・ペアリング・ファッションアクセサリー
・金の含有率が最も低い
・手軽に金色のアクセサリーを楽しめる
・低価格帯ブランドで多い

予算を抑えながら“金色のジュエリー感”を出したいときに使われる。


■ なぜこんなに種類が必要なのか?理由を整理

【1】硬度と耐久性の調整が必要だから

金は純度が高いほど柔らかく、低いほど硬くなる。
指輪などの“強い力が加わるジュエリー”にはK18以下が合理的。


【2】色味の違いを作るため(合金を混ぜる必要がある)

金は、
・銅を混ぜればピンク
・銀を混ぜればイエロー
・パラジウムを混ぜればホワイト
と色が変わる。

この“色の設計”のために純度調整が必要。


【3】価格帯の調整が必要だから

純度が下がるほど製造コストが下がるため、
・高級ジュエリー(K18)
・普及ジュエリー(K10)
・ファッションアクセ(K9)
と価格階層を作れる。


【4】文化・地域による市場の違い

・日本:K18中心
・欧米:K14・K10が多い
・中東・インド:K22・K24が主流

各国の好みに合わせるため、多純度が必要。


【5】目的によって求められる性能が違うから

資産用:変形しても価値が変わらない純金(K24)
アクセ用:壊れにくいK18〜K10
低価格帯:K9

用途によって最適な純度は異なる。


■ 結論:K9〜K24は用途・強度・価格のために存在する

金は
・柔らかさ
・色味
・耐久性
・価格帯
・文化
などの要因によって「最適な純度」が変わるため、複数の種類が必要になる。

K24は資産用、K18は高級ジュエリー、K10・K9は普段使い
というように、目的とユーザー層に合わせて使い分けられている。